妊婦や子どもはイベルメクチンを飲める?飲めない?
コロナ予防・治療ができる医薬品として人気沸騰中のイベルメクチンですが、実は誰でも飲めるわけではないということを知っていますか?
・妊婦、授乳婦、産婦
・子ども
・高齢者
といった人達は駆虫薬として飲む場合も安全性が確認されておらず、コロナ薬として使用した例もまだありません。
本記事では、なぜ妊婦や子ども、高齢者がコロナ薬としてイベルメクチンを服用できないのかを詳しく紹介していきます。
妊婦や授乳中の人は予防・治療でも飲めない!
2021年8月中旬に起きた、コロナに感染した妊婦が自宅で早産してそのまま胎児が死亡という痛ましいニュースが報道され、日本中に衝撃が走りました。
このニュースを機に「もしかしたら自分だったかも」と不安に感じている妊婦さんも多いはずです。
感染予防はしていても、もはや誰が感染してもおかしくない状況であり、これ以上どう予防していいのかわからないと感じている人も多くいます。
しかし、だからといってイベルメクチンを妊婦さんが飲んではいけないのです。
コロナ予防・治療薬として治験を行ってきた海外の研究チームは、妊婦や産婦、授乳婦がイベルメクチンを服用しないようにと注意喚起しています。
以下の内容は、FLCCCという研究チームによって公表される内容です。
【日本語訳】
妊娠の計画を立てている人も同様に、イベルメクチンを予防薬として服用するのもおすすめしていません。
イベルメクチンを用いて治療を行う際には、妊婦自身と医者で話し合う必要があります。
イベルメクチンのコロナに対する効果はまだまだ研究段階。
治験で判明している効果も妊婦を対象にしているわけではありません。
さらに、イベルメクチンを駆虫薬として服用する場合でも同じことがいえます。
駆虫薬としてのイベルメクチンを妊婦へと用いる場合は、身体の危険性よりも効果のベネフィットが上回る場合のみ。
妊婦に対しては、医者が処方しないといけないと判断した場合のみ処方されるお薬なのです。
胎児への催奇性がある?!
イベルメクチンは動物実験の際に、胎児へと催奇性があると判明しています。
催奇性とは、妊娠中の女性が薬物を服用した場合に生まれてくる胎児に奇形が起きる危険性のことを指します。
胎児の身体が作られる妊娠初期(3ヵ月ほど)は、催奇性を含む薬物を服用してしまうと催奇性のリスクが一気に上がります。
通常、催奇性を確認する際には動物実験を行います。
ネズミやウサギなどといった動物ですね。
身ごもっているネズミやウサギにイベルメクチンを投与したところ、生まれてきた子どもに口蓋裂(生まれつき上あごに裂け目が入る病気)を生じたり、前肢屈曲も見受けられたり↓という報告が上がっています。
国内では動物実験の結果を踏まえて、イベルメクチンをやむを得なく授乳婦に投与する場合は、赤子への授乳を中止するように医師から指導が入ります。
理由は女性の母乳の中にイベルメクチンの成分が入りこむという報告が上がっているからです。
※KEGGデータベース「医療用医薬品:ストロメクトール」より
子どもや高齢者は飲んではいけない?
イベルメクチンは駆虫薬、コロナ薬としても子どもや高齢者への安全性は確立されておらず、使用できません。
駆虫薬としても使用経験が限られており、コロナ薬としても同じです。
特に高齢者は若い世代よりも肝臓、腎臓、心臓の身体機能が衰えていたり、大体の人が何らかの病気を抱えていたりします。
また日常的にお薬を服用している人もいますよね。
そのため、独断でイベルメクチンを服用するのは大変危険な行為といえるのです。
お薬の相互性は医者しか分からないため、素人ではなかなか判断がつきにくいもの。
ネットで集めた有り合わせの知識だけでは抜けを生じる恐れだってあるんです。
イベルメクチンが話題になってからというもの多くの人が通販で買い占め始めていますが、高齢者は独断で飲まないように注意したほうがいいといえますね。
飲めない人におすすめしたい感染予防法
妊婦や授乳婦、産婦、妊娠を計画している人、子ども、高齢者はイベルメクチンを服用できないと紹介してきました。
ではどのようにしてさらなる予防線をはっていけばいいのか?
感染予防3原則である、マスクの着用・手洗い・うがいのほかにも実践できる方法を紹介します。
【子ども向け】
・少人数で遊んでもらう
・遊ぶ際に保護者同士の了解を得る
・自宅では1時間に1回は換気を行う
【妊婦・産婦・授乳婦向け】
・とにかく人混みを避ける
・基礎疾患を持っている場合は健康管理に気をつける
・在宅可能な職業であれば必ず上司に申し出ること
【高齢者向け】
・毎朝体温や健康チェックをする
・1時間に2回以上の換気
・掃除やラジオ体操などで運動して虚弱予防をする
妊婦・産婦・授乳婦向けにある「在宅可能な職業であれば~」という項目は、男女雇用機会均等法に基づいて厚生労働省が公表している内容です。
在宅を申し出て事業主が申し出を却下するというのは不当な扱いとなり、マタニティハラスメントに該当します。
万が一、会社の人に在宅にするよう頼んでも渋られた場合は、相談窓口へと連絡してください。